芝さん(手前右)の指導を受けながら五九郎音頭の練習に励む参加者=吉野川市鴨島町の市文化研修センター

大川栄策さんとの共演に向けて五九郎音頭の練習に励む参加者=吉野川市鴨島町の市文化研修センター

 9月3日に吉野川市鴨島町の鴨島公民館で開かれる市芸術祭に、ヒット曲「さざんかの宿」で知られる歌手の大川栄策さんが特別出演する。町内で長年親しまれる「五九郎音頭」のレコードが44年前に作られた際、歌唱を担当したのが縁で、音頭の継承に取り組む市文化協会の依頼に応じた。大川さんが同市を訪れるのは初めてで、当日は大川さんの歌に合わせて市民有志が音頭を踊る。

 五九郎音頭は鴨島町出身の喜劇役者・曽我廼家(そがのや)五九郎(1876~1940年)の功績をしのび、旧鴨島町教委が78年に大川さんの歌唱でレコード(非売品)を作った。大川さんに依頼した経緯は不明だが、例年6月に鴨島駅前で開かれる五九郎まつりで婦人会が踊りを披露。町内の小学校の運動会でも児童や保護者が踊るなど、地域に根付いている。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で五九郎まつりは2020年から3年連続で中止。運動会も中止や規模縮小が相次ぎ、音頭を踊る機会がなくなった。「このままでは踊れる人がいなくなってしまう」と危機感を募らせた市文化協会は、21年度から指導者を育成する講習会を始めた。年月を経て振り付けが変化してきた踊りを、本来の形に戻す狙いもあった。

 活動の機運を盛り上げようと、大川さんを招く案が浮上。市文化協会日本舞踊部門会の芝幸恵会長(77)=鴨島町鴨島=が「街の活性化に一役買ってほしい」などと熱い思いを便箋4枚につづり、昨年12月に大川さんの事務所に送った。

 1月初旬に大川さんが直接、市文化協会に電話をかけてきて「日を決めてくれれば行く」と快諾。市芸術祭への出演が決まった。

 大川さんとの共演に向け、市文化協会は本年度も6月から講習会を開催。約20人が稽古に励んでいる。市婦人団体連合会の喜島寧子会長(75)=鴨島町喜来=は「大川さんの歌に合わせて踊れるなんて、めったにない機会なので楽しみ。観客も楽しんでほしい」と意気込んでいる。

 入場料800円(当日千円)。チケットは鴨島町の市文化研修センターで販売中。問い合わせは同センター、電話0883(22)0015。