鳴門市鳴門町のイタリアンレストラン「フィッシュボーン」の料理人澤和健さん(35)=同町高島=が、9日に都内で開かれるイタリア料理の国内コンクール「グラン・コンコルソ・ディ・クチーナ(GCC)2015」の決勝戦に出場する。10月の第1次審査では、なると金時など地元の食材を使ったメニューが高い評価を受けた。県内関係者の決勝出場は初めて。
GCCは、在日イタリア商工会議所(東京)が、日本での本格的なイタリア料理の普及や料理人の発掘を目指し、2000年から毎年開いている。今年は32人の応募があり、書類選考やインターネット投票による第1次審査を通過した8人が決勝戦に臨む。
澤和さんは大阪府枚方市出身で、今年4月からフィッシュボーンで働いている。これまで大阪や京都のイタリア料理店で腕を振るってきたが、優れた食材の多くが徳島産であることに関心を持ち、妻が徳島市出身ということもあって、県内への移住を決めた。
自然豊かな鳴門が気に入っており、料理にも県産食材を取り入れている。第1次審査ではスダチの果汁が入った飼料で育てた「すだち牛」を、薫製チーズで挟み、スダチや素揚げにしたなると金時、レンコンを添えたメニューを出品した。
都内の東京ガスショールームで開かれる決勝戦は、「チーズを使ったイタリア料理」がテーマ。前菜とパスタ料理の2品を制限時間内に調理する実技審査を行い、イタリア人シェフらが審査する。
澤和さんは、決勝戦のレシピにも県産野菜を取り入れ、器に伝統の大谷焼を使う予定。「徳島の豊富な食材をアピールできたらうれしい」と意気込んでいる。