徳島県東部7市町村による広域ごみ処理施設建設計画をめぐり、徳島市の原秀樹市長は9日の市議会政策再構築案検討協議会で、他市町村から新たな候補地が11月中に出てこなければ、市単独で整備する考えを示した。佐那河内村の出直し村長選で、同村下字東地を建設候補地とする計画の白紙撤回を主張した岩城福治(よしじ)氏が当選し、7市町村での早期整備は困難と判断した。
原市長は「徳島市以外の構成市町村でごみ処理施設を確実に受け入れできるとの意思表示がない限り、市単独で(施設整備に)臨まざるを得ないと考える」と述べた。
その理由として「施設が老朽化しており、一日も早く整備を進める必要がある。広域整備ではどの自治体でも反対運動が起こり、計画がさらに遅れることが危惧される」と説明した。11月中に開く7市町村の協議会で市の方針として示す。
検討協議会終了後の報道陣の取材に、原市長は「他市町村が候補地を出すのは難しいと思う。単独整備をどう進めるかは、候補地を含めてこれからだ」とし、市単独で整備する可能性が高いとの認識を示した。
計画について原市長は、村長選の翌日(2日)に開いた記者会見で「現候補地については白紙撤回せざるを得ない」と指摘。その上で「関係市町村の意向もある。12月までに方向性を出すことにはこだわらない」と述べていたが、方針転換を図った。