那賀町横石の鎌瀬農村舞台で恒例の人形浄瑠璃公演があり、町内外から訪れた約150人を魅了した。
勝浦座(勝浦町)が「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」「絵本太功記尼ケ崎の段」を上演。あいにくの雨天となったが、親子の情愛と悲劇を描いた場面が繰り広げられると、観客は降りしきる雨を忘れるかのように見入っていた。地元の丹生谷清流座と木沢芸能振興会も出演し、「寿二人三番叟(ことぶきににんさんばそう)」などを披露した。
原良子さん(78)=同町仁宇=は「物語も人形の動きもどれも魅力的で、素晴らしかった」と話した。
近くの相生ふるさと交流館では、明治から大正にかけて地元で活躍した人形座「竹ケ谷座」の頭(かしら)や衣装が常設展示されており、多くの観客が公演後に立ち寄って、見学していた。