米田さん(左)からユズの収穫方法を教わる参加者=那賀町延野

 JAアグリあなんが那賀町と阿南市で農繁期の農家に人材を紹介している「農作業お助けセンター」の利用が広がっている。2011年9月に開設し、契約成立数は11年度(7カ月間)の18件から14年度は69件に増加。15年度は10月末で80件に達した。JAは一層の普及に向けて、農作業場へ働き手を送迎するなどのサービス拡充を検討している。 

 農家は人手が必要な作業を、求職者は希望する作業や勤務形態などをそれぞれセンターに登録。JAがマッチングする仕組み。賃金や労働時間は農家と求職者が直接相談して決める。登録・紹介料はいずれも無料。 

 登録数は11年度が農家33戸、求職者29人だったが14年度は農家56戸、求職者82人となった。15年度は10月末時点で農家68戸、求職者49人となっている。

 成約の多くは那賀町内という。同町は木頭ゆずやオモト、ケイトウなど全国有数の生産量を誇る農作物が多いが、過疎や高齢化で労働力不足に悩む農家が年々増えている。

 3年前から利用しているユズ農家の新井愼一郎さん(60)=同町海川=は「ユズは収穫が遅れたものは出荷できない。制度のおかげで今の栽培量を維持していける」と話す。

 成約数を伸ばしてきた背景には、農業未経験者を対象に、作業を学ぶ研修会を実施していることもある。

 10月に同町延野の米田晃さん(49)のユズ畑であった収穫研修会には10人が参加。収穫時の注意や基本作業を教わった。フェリー会社を定年退職し、初めて応募した松田明人さん(65)=同町和食=は「農業には以前から興味があった。素人でも事前に学べるのはありがたい」と話す。 

 JAは、マッチング効率の一層の向上を目指し、働き手が遠方で作業を行う際に車で送迎することを検討。現在ユズとキュウリで行っている研修会も品目数を増やしていく考えだ。