竹本友和嘉さん

 文化審議会は20日、重要無形文化財の保持者として、義太夫節太夫の竹本友和嘉さん(55)=本名澤田美紀、徳島市上八万町西山=と、鳴門市出身の竹本友代さん(75)=本名大和君代、兵庫県姫路市=を義太夫節保存会(東京都中央区)の会員に追加認定するよう林芳正文部科学相に答申した。県関係の保持者団体の会員は4人になった。

 友和嘉さんは神山町出身。1976年に14歳で初舞台を踏み、96年、義太夫節三味線人間国宝の鶴澤友路さん(故人)に弟子入りして97年に竹本友和嘉を拝命した。徳島市の阿波十郎兵衛屋敷や国内外の公演に出演しているほか、太夫部屋「友和嘉会」を主宰し、後進育成に当たっている。2002年に人形浄瑠璃因(ちなみ)協会奨励賞、16年、とくしま芸術文化賞を受賞した。

 義太夫節は1980年に重要無形文化財に指定され、太夫の竹本駒之助さんは人間国宝。義太夫節の技法を高度に体現している保持者の団体として保存会が総合認定されている。会員は22人で、友和嘉さんと友代さん、三味線の2人が加わり26人になる。

 友和嘉さんは「今後さらに頑張れと言われているようで気が引き締まる思い。芸を高めるとともに、義太夫節の普及と後進育成に努めたい」と話している。

 文化審議会はこのほか、重要無形文化財の保持者団体構成員として、雅楽の宮内庁式部職楽部(東京都千代田区)の1人、伝統歌舞伎保存会(同)の26人を追加認定するよう求めた。