蒲生田灯台の背景の星空を横切る天の川=阿南市椿町(ISO1600で30秒間露光)
 


 とはいえ、電気の普及や経済活動の活発化で夜を通して町に明かりがともるようになり、星空が見えにくくなっている。 織り姫とひこ星が年に一度出会うとされる七夕(7月7日)。元は旧暦に行われていた行事で今年は8月17日に当たる。舞台となる夜空の天の川も、梅雨が明けた頃からの時季が見えやすい。

 2016年には、照明など人工の光が過剰にあふれる「光害」の影響で、世界の3人に1人が天の川を見ることができずに暮らしているとの研究結果を、イタリアや米国のチームが発表した。日本では人口の70%が見えない場所に住んでいたという。

 そんな中、天の川を見ようと、阿南市椿町の蒲生田岬に向かった。四国の最東端に位置し、集落から離れている。灯台以外に明かりはなく、近くにある駐車場の常夜灯がうまく岩陰に隠れる。県内で星空を見るには、最高の場所の一つと言えるだろう。

 訪れたのは雲のない快晴の日で、天の川が灯台の後方に見える時間での撮影を狙った。見上げると満天の星。天の川もくっきりと見え、七夕気分だけでなく、自然の美しさを存分に味わえた。