住民を担架に載せて避難させる消防職員=三好市山城町粟山

 西日本豪雨に見舞われた三好市は20日、孤立状態が続いていた同市山城町の粟山集落の5世帯10人を、集落外の市営住宅(同町)に集団避難させた。道路の損壊が激しく孤立の長期化が避けられず、新たな土砂災害の恐れがあるため。残る9世帯16人も順次避難する意向で、8月中にも全世帯が集落外に移る見通し。山城町の仏子集落の孤立も長期に及ぶ恐れがあり、市は3世帯5人の避難支援を検討する。

 市によると、19日時点で粟山集落の全17世帯32人のうち14世帯26人が集落にとどまっていた。このうち5世帯が20日、北東約15キロの市営住宅に移った。

 午前10時ごろ、市とみよし広域連合の職員計21人が集落に到着。家財道具の運搬を手伝った。道路の崩落箇所に応急的に設けられた橋を渡るなど危険が伴う地点では消防職員が住民の安全確保に当たった。足腰の弱い人は担架で運び、つえを突く高齢者の手を引いた。

 残る9世帯のうち、3世帯は24日までに同市池田、山城両町の市営住宅に移る。他の6世帯は親族宅などに避難する。

 道路網の復旧には数年かかるとみられ、集落に帰還できる時期は不明。

 妻と避難した福岡清延さん(77)は「5代前から守ってきた家を離れるのはつらいけど、命には代えられない。豊かな自然に囲まれ、薬草取りなどをする暮らしが好きだった」と話した。

 この他、仏子集落は土砂崩れによる孤立から10日以上たった現在も寸断した市道が復旧するめどが立っていない。

 また同日、同市西祖谷山村の中尾集落で地滑りの恐れが生じ、6世帯15人が孤立した。同日午後5時時点で市内5集落の22世帯43人が孤立している。池田町高友地区の1世帯3人への避難指示も継続している。