平年より1週間以上早く梅雨明けし、記録的な猛暑が続く徳島県内で、夏物商品の需要が急増している。熱中症予防に向けた経口補水液や、ビール、そうめんなど夏場に人気の高い食品の売れ行きが好調で、各メーカーは増産などで対応。冷却スプレーやエアコンなども順調に販売を伸ばしている。
大塚製薬工場(鳴門市)によると、熱中症予防のため、水と電解質を素早く補給できる経口補水液「OS-1(オーエスワン)」の出荷数が、1~19日は前年同期の約80%増となった。同社は「自分の分だけでなく、家族の分も含めて買う人が増えている」として増産を検討している。
熱中症対策では、県内大手スーパーのキョーエイ(徳島市)でも汗で失った塩分の補給用として塩あめを購入する人が増え、品切れする店舗が続出。補充してもすぐ売り切れ、メーカーからの供給も少ない状態が続く。
酒類販売のリカオー(同)は、主力商品の「アサヒスーパードライ」の7月前半の売れ行きが前年より2割程度増えるなど、ビール類や酎ハイの売れ行きが順調という。菓子製造販売のハレルヤ(松茂町)は、町内の直営店で、県産のスダチとユズ、ヤマモモを使ったジュレ「徳島じゅれ」の10~19日の売り上げが前年同期比で3割増となった。
県内製麺大手の赤池食品(徳島市)も梅雨明け以降、冷やし中華とそうめんの受注が前年より1割以上増えた。今後も好調な需要が続くとみて、13日から増産を始めた。
冷感グッズの売れ行きも好調だ。徳島市のドラッグストアチャーリー沖浜店は梅雨明け以降、冷却スプレーや冷却タオル、アイス枕などが一気に売れた。例年の1・5~2倍の売れ行きで、既に品切れとなった商品が多数ある。冷却スプレーは髪やシャツに直接吹き付けるタイプが人気で、入荷もしにくくなっている。佐藤守店長は「この時期の品切れは珍しい」と話した。
徳島市内の電設資材卸業者では今週、家電量販店が少ない地域などからルームエアコンの注文が相次ぎ入った。在庫を補充して対応している。