9月上旬の新品種「阿波白秀」(上)と備中(下)。阿波白秀は太く、収穫できる状態になっている(県農林水産総合技術支援センター提供)

 徳島県の飯泉嘉門知事は16日の定例会見で、レンコンの新品種「阿波白秀(はくしゅう)」を開発し、農林水産省に品種登録を出願したと発表した。露地栽培での収穫が8月下旬から始められるのが特長。県産レンコンの主力品種より1カ月早いため、夏場の台風被害のリスクを軽減できる。県産レンコンは全国2位の出荷量を誇り、京阪神市場では1位のシェアとなっているが、さらなる増加が期待できそうだ。

 阿波白秀は、県産レンコンの7割を占める主力品種「備中」より太く短い。ただ、関東産よりは細長く、県農林水産総合技術支援センターは「スリムな県産レンコンのイメージを損なうことはない」とする。甘さや固さ、歯触り、断面の色、皮の白さは備中と同等。2014年に同じ条件で収穫量を比較したところ、阿波白秀が2割多かった。

 県内でわせ品種はロータス、オオジロ、金澄(かなすみ)が栽培されてきた。阿波白秀は、センターがオオジロとロータスを交配させ開発し、これらより収穫量が多く、形もいいという。露地栽培より収穫時期を早めるハウス栽培やトンネル栽培にも適している。

 花の色が備中のピンクに対して白で、「秀でたレンコン」との意味から命名した。品種登録されるのは18年ごろの予定で、22年の栽培面積は、14年の県産レンコン全体の2割近くとなる100ヘクタールを見込む。

 レンコン生産者にとって、備中の収穫時期が9月下旬からのため、毎年の台風被害は大きな悩みだった。8月に台風が相次いだ14年産の出荷量は3517トンと前年より36%減った。

 生産者の要望を受け、センターは06年から、収穫時期の遅さが弱点の備中を補い、従来のわせ品種より収穫量が増す新品種の開発に取り組んでいた。

 会見で知事は「早期出荷できる中心品種として、多くの人に愛されるようブランド力向上に努めたい」と述べた。