徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第5回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の授賞式が10日、徳島市の徳島新聞社で開かれた。作品「火取虫(ひとりむし)」で大賞の阿波しらさぎ文学賞に輝いた小川真我(しんが)さん(25)=東京都新宿区=ら3人に賞状と賞金が贈られた。記念行事の文学トークもあった。
小川さんは、徳島新聞社の木下一夫編集局長らから賞状と目録、花束を受け取ると「すごく楽しく書けたのが一番印象に残っている。一度旅行に来たことがある思い出の徳島を書いた。それが多くの人に読んでもらえ、伝わるのがすごいと思った。言葉の力を感じることができた」と謝辞を述べた。
「眺め」で徳島新聞賞が贈られた鎌田航(こう)さん(29)=本名航也、鳴門市鳴門町高島=は「小説を書き始めたきっかけが阿波しらさぎ文学賞。続けてきてよかった」と喜びを語った。
「湿り」で徳島新聞賞が贈られた、うっかりさん(39)=本名原田英一、徳島市西須賀町東開=は「俳句を通じて学んだことを生かしながら小説を書いてきた。なかなかうまく表現できないが、ますます精進したい」と述べた。
文学トークは、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)の司会進行で、受賞者3人と、最終選考委員を務めた芥川賞作家の吉村萬壱さんと小山田浩子さんがビデオ会議システムを交え、受賞作品や文学賞の魅力などについて意見交換した。
【動画URL】https://www.youtube.com/watch?v=RkJg18KU3ps
◇
18日付特集面で文学トークの詳報を掲載します。