県警が金融機関利用者に取り組みへの理解を求めるため各店舗に配るチラシ

 徳島県警は、銀行や郵便局など県内の全金融機関613店舗に対し、高齢者が窓口で高額の入出金をした場合、速やかに警察に通報するよう要請した。特殊詐欺の被害が後を絶たず、窓口の職員が気付かないケースがあるため、原則として高額の入出金は全て通報対象にして被害拡大を防ぐ。警察庁によると、同様の取り組みは四国で初めて。

 仕事に関する入出金や家族が同伴しているなど、明らかに特殊詐欺被害ではないと確認できた場合を除き、高齢者が窓口で高額の入出金をした案件は通報を求める。金額や対象年齢の通報基準は明らかにしていない。

 金融機関から通報を受けた最寄りの警察署から警察官が駆け付け、高齢者に入出金の理由を聞いたり家族に連絡したりして詐欺かどうかを見抜く。

 県警が11日、金融機関でつくる県金融機関防犯連合会に依頼文書を送付して同意を得た。各金融機関で対応を検討するが、ある銀行関係者は「110番に不快感を示す利用者がいるかもしれない」と不安を口にする。県警は今後、各店舗に取り組み内容を記したチラシを配り、利用者の理解も得ていく。

 県内金融機関では、窓口の職員が詐欺被害の疑われる高齢者に声を掛けるなどしているが、現金の振り込みや引き出しを止めるために長時間説得することが負担になっている。高齢者がうそをついて金を下ろし、被害を受けた事件もあった。

 県内の特殊詐欺被害は10月末時点で昨年1年間の50件を上回る62件で、被害額は2億5746万円に上る。

 県警生活安全企画課の近藤稔課長は「高齢者が犯人グループに行動を細かく指示され、職員が詐欺と見抜けないケースもある。各機関の協力を得て一件でも被害を減らしたい」と話す。