那賀町の住民らでつくる「もんてこい劇団」が22日、大分県豊後高田市で、地方へのUターンを呼び掛けるミュージカル「もんてきた息子」の公演を行う。劇団の活動を知り、共感した同県の地域活性化団体から依頼された。劇団が町出身者らの「ふるさと会」以外に招かれ、県外で公演するのは初めてで、メンバーは張り切って稽古に励んでいる。
「もんてきた息子」は劇団の4作目。都会から町にUターンしてきた主人公が住民と交流を深め、特産品や伝統文化に触れて地域活性化への決意を新たにする物語で、16~78歳のメンバー18人が豊後高田市の公民館で一般客に披露する。
フィナーレでは、地元の豊後高田少年少女合唱団の10人もステージに上がり、出演者と一緒に「もんてこい」を合唱する。
2014年11月に大分合同新聞で劇団の活動を紹介する記事が掲載され、同市で物産販売などに取り組む女性グループの目に留まったのがきっかけ。大分県在住で、10年に1年間、那賀町拝宮の「井本紙漉場」で運営スタッフをしていた演出家内野雅子さんを通じて声が掛かった。
劇団のメンバーは7月から週1回、同町延野の相生老人福祉センターで稽古に汗を流している。今月16日の最後の全体練習では、ダンスの動きを合わせ、感情を込めたせりふ回しなどを繰り返し確認した。
脚本を担当した蔭岡美恵さん(47)=同町延野、保健師=は「住んでいる人には身近過ぎて見落としがちな古里の良さに気付いてもらいたい。古里を離れた人には、待ってくれている人がいるということを感じてもらえたら」と話している。
劇団は、同町の地域活性化団体「もんてこい丹生谷運営委員会」のメンバーを中心に09年に結成。これまでに県内をはじめ、東京や大阪のふるさと会の会合で、計16回公演している。