岩崎優さん

 10月4日朝に阿波市市場町の徳島自動車道でバイクが転倒し、運転していた松山市の男性(20)が重傷を負った事故が起きた際、たまたま私用で通り掛かった高知赤十字病院医師、岩崎優さん(32)=徳島市出身、高知市西久万在住、が応急処置に当たり、一命を取り留めていたことが分かった。美馬市消防本部は18日、同病院で岩崎さんに感謝状を手渡した。

 岩崎さんは当日、知人の結婚式に出席するため、高知から高速バスに乗って神戸に向かっていた。走行中に突然、運転手が「交通事故のため一時停止します」と車内放送。すぐ前で、血まみれの男性があおむけに倒れ、約10メートル先にバイクが転がっていた。

 まだ救急車も来ていなかったため、医師だと名乗って男性に駆け寄った。男性は意識がなく、ライダージャケットをナイフで切り開くと、左肩から腕へ大きな裂傷を負っていた。血が噴き出して脈も弱く、かなり危険な状態だったという。

 タオルで止血し、懸命に声を掛けた。10分ほどして救急車が到着。一緒に乗り込み、ドクターヘリの中継場所である土成中学校グラウンドに着くまで、生理食塩水の入った輸液バッグを押し続けた。男性は徳島市の総合病院に運ばれ、命を取り留めた。

 岩崎さんは徳島大医学部を卒業後、徳島赤十字病院を経て、現在は高知赤十字病院で内科医を務めている。

 岩崎さんは「普段から人の命を救っているので、当たり前のことをして感謝されるのは恥ずかしい」と話し、「心臓マッサージやタオルでの止血など、医師でなくてもできることはある。一般の人もけが人を前にしたら、できるだけのことをしてほしい。それで助かる命がある」と訴えた。