損壊した市道。再び通行止めになり、集落はまた孤立した=21日、三好市西祖谷山村中尾

 西日本豪雨の影響で地滑りの恐れがあるとして20日に6世帯15人が孤立状態になった三好市西祖谷山村中尾の集落で、生活道路である市道が数十センチ沈下していることが21日分かった。復旧時期は不明で、9日にいったん解消したにもかかわらず再び孤立に見舞われた住民は不安を募らせている。

 集落が最初に孤立したのは6日。豪雨で道が約70メートルにわたって損壊し、擁壁を含む一部が崩落したため、市が通行止めにした。その後、地盤の動きを感知する機器の観測値に目立った変化がなく、市は応急処置を施して9日に規制を解除。孤立は解消していた。

 しかし市は20日夕までに地盤が14センチ移動しているのを観測。新たな亀裂なども生じており、市は同日、再び通行止めにした。損壊区間約70メートルのうち約30メートルの路面が数十センチ下がっており、道路脇のがけの斜面が地滑りで谷側に押し出されているとみられる。

 車は通れないが徒歩での通行はできる。住民は通行止め区間に近い集落外に車を止めており、そこまで歩いていけば買い物などに支障はないというが、西下イソヱさん(88)は「救急車がすぐ来られるか心配。早く元通りになってほしい」と心配そうに話した。

 また、20日に5世帯10人が避難し、9世帯16人が残っていた同市山城町粟山集落では21日、新たに1世帯3人が市営住宅に移った。同日午後5時時点で市内の5集落21世帯40人が孤立。池田町高友地区の1世帯3人への避難指示も継続している。