FWバラル

 スペイン1部で221試合46ゴール、シーズン2桁得点を2度記録し、レアル・マドリードやバルセロナからも得点した経験を持つストライカーが徳島に加入した。 スペインでは「ボールを渡せば、ゴールを奪う」とのチャント(応援歌)があったダビド・バラル(35)。獲得にはリカルド・ロドリゲス監督が自ら動いたようだ。得点力不足に悩む中でFW山﨑凌吾がJ1湘南へ移籍することになり、対応を急いだ。ピーター・ウタカに続く大物外国人の獲得で、巻き返しを図れるか。出場を待ちわびるサポーターも少なくない。

 「(バラルは)スペインでは有名な選手で以前から知っていた」と話すロドリゲス監督。アシスタントコーチなどを務めていたマラガ時代に、バラルのいたスポルディング・デ・ヒホンと対戦したことがあった。対戦したという以上の面識はないものの、「(前チームとの契約満了で)フリーだった」と最近の動向も把握していて、強化部に獲得を進言したようだ。

 バラルは「最初に(ロドリゲス)監督と話をした」と明かし、その際に徳島のチームとしての状況などを聞いたという。その上で、「(チームに)必要だ」という監督の強い求めに応じた。スペインでのチャント「バラルにボールを渡せば、ゴールを奪う」の歌詞の通り、「1つのチャンスをものにしてきた」(バラル)と、得点力に自信をのぞかせる。

 徳島については「真剣に戦いに臨んでいて、はっきりした考えを持っているチーム。野心もあって、いい監督と仲間たちがいて、いいサッカーをしている。もっと上にいてもいいチームだと思う」と印象を語った。徳島のスタジアムや街に関しては「サポーターに熱気がある。街は落ち着いていて、サッカーに集中するにはいい環境だ」と話した。

 今夏母国・スペインから実力選手が、Jリーグに続々と加入。J1神戸のイニエスタやJ1鳥栖のトーレスと対戦した経験もあり「再会を楽しみにしている」と、日本でも対戦の機会が生まれることを期待している様子だった。