徳島県は、民間の会計方式の複式簿記を取り入れ、資産や負債、減価償却費などを一元的に把握する新たな公会計制度を2017年度に導入する。公共施設の正確な資産価値を示す固定資産台帳も併せて整備。財務情報の透明化を図り、財政の効率化や公共施設の管理に活用する。

 県は貸借対照表などの財務書類を通じて財務情報を県民や議会に開示。予算編成や政策評価にも活用し財政の健全化につなげる。年度ごとに歳入と歳出を載せただけで、資産や負債総額などの実態が分かりにくい現行の決算システムを補完する。

 県は08年度から、決算統計データに基づき貸借対照表や行政コスト計算書などの「財務諸表4表」を公表している。しかし固定資産台帳がないため精密さに欠けており、新たに導入する台帳には公共施設の耐用年数や取得金額、減価償却額などを盛り込む。

 普通会計の財務諸表のほか、公社・外郭団体など関係25団体を含めた連結ベースの財務諸表にも固定資産台帳の正確なデータを反映させる。人口減少などを考慮した公共施設やインフラの修繕・統廃合計画や優先順位付けへの活用が見込まれる。

 国は全ての地方自治体に対し、17年度末までに同様の公会計制度の導入を求めている。全国で統一基準の財務書類を作成することで、自治体間の財政状況を比較しやすくする狙いもある。現在、県内で導入している自治体はない。

 県は新制度の導入に向けたシステムの改修や職員向けの研修を既に始めており、県財政課は「職員のコスト意識の醸成にも期待したい」としている。