[上]木下覺さん [下]水路に繁殖した特定外来生物のナガエツルノゲイトウ(手前)=鳴門市大津町大代

 国外から徳島県内に持ち込まれて野生化した外来植物が、25年前の2倍の約600種に増えていることが、県植物研究会の木下覺会長(73)=鳴門市北灘町粟田=の調査で分かった。観賞用植物が捨てられ繁殖するなど原因はさまざま。中には環境に大きな影響を及ぼす特定外来生物も含まれ、県や国が駆除を進めているが、追いついていない。

 1990年に吉野川市の植物研究家、故阿部近一氏が著した「徳島県植物誌」には、野生化した県内の外来植物が308種類あると記載されている。調査に協力した木下会長はその後、河川や山などを歩き、新たに298種類を確認した。

 606種類のうち8種類は、栽培や移動の禁止を定めた環境省の特定外来生物に指定されている。その一つで水草のナガエツルノゲイトウは10年ほど前から県北部の河川で増え始めた。

 木下さんによると、この水草は年間を通して水面を覆い、水路にたまると農業用水の流れを止める。光を遮断するため水中の生き物の成育に影響し、大量繁殖すると船の航行を阻害する恐れがある。

 黄色の花を咲かせるオオキンケイギクも特定外来生物で、高速道路の緑化に使われたものが拡散し、県内全域で野生化。在来種の生息を脅かしている。

 このほか、国土交通省徳島河川国道事務所が駆除に取り組むオオカナダモをはじめ、特定外来生物を含む約70種類が、環境省の「生態系に被害を及ぼす恐れのある外来種リスト」に入っている。

 木下会長は「外来生物の問題を放置すれば生態系を脅かし、人の生活にも影響が出る」と指摘。住民が間違って栽培しないよう啓発し、駆除も進めるよう呼び掛けている。