三好市井川町井内東の高畑輝子さん(78)が、近くの朝市に出品している手作りシュークリームが人気だ。高畑さんは菓子作りの趣味が高じて、通信講座でパティシエの専門技術を取得。自宅に専用工房を構え、新商品開発にも意欲を燃やしている。
高畑さんのシュークリームは保存料、着色料などは無添加で、濃厚なカスタードがたっぷり詰まっている。毎週土曜、同町辻の古民家を改修した交流施設「辻のいろり」で、住民が野菜などを販売する「ニコニコ朝市」に、20パック(1パック3個入り250円)を出品。おいしさが評判を呼び、午前8時の販売開始から30分でなくなるヒット商品となっている。
辻のいろりを拠点とした地域おこし活動の中心メンバーの高畑さん。若い頃から趣味だった手作り菓子を朝市で提供するため、本格的なパティシエを目指すことを思い立った。
教育機関・日本創芸学院(東京)の通信教育に申し込み、テキストとDVDで菓子作りの専門知識を習得。徹夜で勉強したかいあって、筆記試験は全て一発合格し、写真審査も通過した。今年3月に同学院から「スウィーツ・スペシャリスト」の認定を受けた。
自宅の炊事場も改装し、本格的な調理器具を備えた「菓子工房輝(ひかり)」に。同工房の完成に合わせ9月末には県から営業許可も取得した。
高畑さんはシフォンケーキやロールケーキの試作にも熱を入れており、近く朝市に並べる予定だ。「おいしい、と言ってくれるのが一番の喜び。認知症防止にもなるし、生涯現役ですてきな菓子を届けたい」と話している。