インターネットを利用したサイバー犯罪に関する徳島県警への相談件数が増え続けている。今年は10月末までに727件の相談が寄せられ、過去最多だった昨年1年間の656件を既に上回った。通信販売の偽サイトや架空請求メールによる詐欺被害についての相談が特に増えており、県警は注意を促している。

 県警生活環境課によると、相談件数は2008~13年は400件台だったが、14年に656件と増加。今年はこのまま推移すると800件を超えそうだ。

 内訳では「詐欺や悪質商法」が317件と最も多かった。昨年1年間の210件の1・5倍に達している。

 特に目立っているのが、通販の偽サイトによる被害。実在のサイトをコピーして代金の振込先を偽ったりするケースが多く、利用者から「金を払ったのに商品が届かない」などと相談が相次いでいる。

 県警は1~9月に昨年1年間の1・5倍に当たる43件の偽サイトを確認、警察庁に報告した。

 次いで多かったのは「架空請求や迷惑メール」で139件。「名誉毀損(きそん)、誹謗(ひぼう)中傷」が44件で続いた。

 大きく減ったのは「不正アクセス」に関する相談。昨年は76件あったが、無料通信アプリLINE(ライン)のアカウント乗っ取り被害が減ったため、今年は16件にとどまっている。

 サイバー犯罪の相談が増えた背景として、同課は、スマートフォンの普及で買い物などがネット上で簡単に行えるようになったことや、ネット上は匿名性が高いために犯罪の痕跡が残りにくいことなどを指摘。「連絡先が示されていないサイトや不審なメールには注意を」と呼び掛けている。