「命に関わる危険な暑さです」とNHKのアナウンサーが警戒を促すのを、もう何日耳にしただろう。今まで聞いたことがない、どきっとする表現である。新聞も連日猛暑を報じて注意喚起している。なのになぜ、とやりきれない日々

 命に関わる熱中症の事案が全国で絶えない。9~15日の1週間、全国で約1万人も救急搬送され、うち12人が死亡した(消防庁まとめ)。暑さが増した先週は、さらに膨れ上がったに違いない。本県は那賀町で1人が亡くなり、搬送件数は2桁台が続く

 記録的な猛暑という。気象庁が異例の記者会見を開き、注意を呼び掛けたほどだ。多くは暑さを肌で感じ、ニュースを見聞きし、できる限り対処しておられよう。それでも、内心どこかに油断がないだろうか

 西日本豪雨では「正常性バイアス」が指摘された。危険が迫っているのに「自分は大丈夫」と思い込んでしまうこと。思い込みがあだとなっているケースが、猛暑の列島全体に起きていないか

 <安心、それが人間の最も近くにいる敵である>(本紙「ことば遍路」)。シェークスピアが「マクベス」で訴えた言葉を改めて心したい

 県内は今週も軒並み34度を超えそうだ。思い込みを排し、語尾が「ん」の「3N」を徹底しよう。水分と塩分、エアコンである。今日は「大暑」。警戒の上に警戒を。