瀬戸内寂聴さんにとって、モラエスは元々好きなテーマだった。神戸での総領事時代、芸者だった徳島市出身の福本ヨネ(おヨネ)を落籍し結婚。おヨネの死後は徳島に墓を造り、菩提(ぼだい)を弔った。

 地位も名誉も全て捨て去り、隠せいした徳島の地。そこでおヨネの面影を持つめいのコハルと一緒に暮らす。しかし、そのコハルにもモラエスは先立たれてしまった…