深度600メートルの潜航に成功した「しんかい」=1968(昭和43)年、本社所蔵写真

深度600メートルの潜航に成功した「しんかい」=1968(昭和43)年、本社所蔵写真

 写真は1968(昭和43)年11月、高知県東洋町甲浦沖で行われた海上保安庁の深海調査船「しんかい」の最大深度試験を撮影したもの。

 神戸市の川崎重工で建造された「しんかい」は写真奥に写る観測船「天洋」にえい航されて甲浦沖40キロ地点に着いた後、潜水テストを開始。深度600メートルまで潜り、当時の日本記録を達成した。

 全長約15メートル、排水量約85トン。4人乗りで、観測用の窓が5個設けられていた。建造費は約3億円。現在の貨幣価値に換算すると10億円以上の大きなプロジェクトだった。旧海軍潜水艦の技術が生かされたといわれる。

 70年に海上保安庁に引き渡されて就航。日本近海の海底調査などに多くの成果を挙げたが77年に退役し、2000メートルまで潜れる「しんかい2000」に役目を譲った。現在は広島県呉市の「大和ミュージアム」横で公開展示され、深海に挑んだ歴史を今に伝えている。