この夏、県内在住の外国人が多く所属する「あらそわ連」に初参加。阿波おどりを通して国際交流を深めた。「これからゆっくり信頼関係を築いて、いつかは料理教室にも来てもらいたいですね」。

この夏、県内在住の外国人が多く所属する「あらそわ連」に初参加。阿波おどりを通して国際交流を深めた。「これからゆっくり信頼関係を築いて、いつかは料理教室にも来てもらいたいですね」。

國平佳那さん(徳島市出身)

 「自宅でボランティアの料理教室を開きたい!」。県内の料理教室で講師として勤める國平さんの目標だ。その想いが芽生えるきっかけとなったのは、コロナ禍で勤務先の教室が休業になり、祖父母の家に自作の料理を持って行きはじめたことだった。「90歳を超えた夫婦が、お互いに助け合って自立して生活をしている姿に心が惹かれたんです。それをもっと近くで見守りたくなって、道向かいにある空き家に引っ越しました」。昨年1年間は、お花見に出かけたり、自宅の庭で花火をしたり、敬老の日には手料理でパーティーをしたり。祖父母と季節の想い出をたくさん作り、その光景を写真に残した。

 中国と台湾に留学していた大学時代、言語や生活の面で現地の人々に何度も助けられたことが原体験となり「いつか誰かの役に立ちたい」という想いを抱えていた。「今を一生懸命に生きている祖父母を近くで見ていると『私も頑張ろう、したかった社会貢献をしよう』と思えたんです。じゃあ具体的にできることはなんだろう、と考えたときに浮かんだのは、やっぱり好きな料理。手料理のあたたかさを、まずは周りの友人に伝えられたらと、自宅でボランティアの料理教室を開くことを決めました」。今年の初めに祖父が体調を崩して入院することになったのが、行動を起こす大きなきっかけとなった。「家族の面会は限られていて、自宅に残った祖母も寂しそうに見えました。ここで料理教室を開いて、いろんな人が出入りするようになったら、祖母にも元気が戻るかなと思ったんです」。

 料理教室は「友人同士でその時間自体を楽しむ、女子会みたいな教室にしたい」と構想中。「ユニークなメニューをワイワイ作って、気がついたら料理のワザも学べているのが理想ですね」。当初の予定ではすでにスタートしているはずだったが、急きょ台所家電が使えなくなったり、コロナの感染拡大が続いたりとさまざまな壁が。それでも諦めずに軌道修正を重ね、秋の再開を目指している。

 「これから、今までの経験を土台にもっと視野を広げていきたい」と、はつらつとした笑顔で話す國平さん。レシピコンクールへの応募や食育アドバイザー資格の取得、観て楽しい料理動画の投稿など、やりたいことが次々と挙がる。「いろんな人が背中を押してくれたから前に進めて、今ここにいる。だから私も、料理を通して誰かの背中を押せるような存在でありたいです」。