徳島県は車に警報音を発する装置が付いている場合、その使用を義務付ける条例案を県議会12月定例会に提出する。日本盲人会連合(東京都)によると、警報音装置の使用を義務付ける条例は全国で初めて。
 
 10月に視覚障害者の山橋衛二さん(50)=徳島市昭和町8=がトラックにはねられて亡くなり、一緒にいた盲導犬も死んだ事故で、装置のスイッチが切られていたことを受けた措置。ドライバーが盲導犬などの補助犬を連れた障害者の通行を妨げないようにし、安全確保に配慮する努力規定も定める。違反した場合の罰則規定はない。

 条例案の名称は「障がいのある人もない人も暮らしやすい徳島づくり条例」。警報音装置の使用義務化のほか、障害者の権利擁護の推進やコミュニケーション手段の確保に向けた施策、県と市町村、県民の役割・責務を規定する。施行は2016年4月1日だが、警報音装置の使用など一部については公布と同時とし、年内にも施行される見通し。

 事故を受け、飯泉嘉門知事はトラックなどを後退させる時に警報音を鳴らすことを義務化する法整備を求める提言書を国土交通省などに提出している。