那賀町住民らでつくる「もんてこい劇団」が、大分県豊後高田市に招かれ、地方へのUターンを呼び掛ける創作ミュージカル「もんてきた息子」を披露した。公演会場の公民館に詰め掛けた約300人の住民らからは大きな拍手が送られ、舞台と客席が一体となった感動の渦に包まれた。
古里に戻ってきた主人公の家族が、住民との交流や町を巻き込んだ騒動を通し、古里に眠るたくさんの宝物に気付く-というストーリー。劇団員の歌と踊りを交えた熱演に、思わず涙をぬぐう観客もいた。
フィナーレでは、地元の豊後高田少年少女合唱団の10人も舞台に上がり、出演者18人と劇中歌「もんてこい」を合唱した。
新聞報道で劇団の活動を知り、公演を企画した豊後高田市農漁村女性集団連絡協議会の東名美智子事務局長(55)は「同じ過疎の悩みを持つ地域の人間として劇団員の思いが十分伝わり、とても勇気づけられた」と話した。