乳幼児を自然の中で遊ばせる野外保育の試み「森の幼稚園」が神山町で始まった。町内外の親子が毎週月曜午後に大粟山(同町神領)に集まり、木の遊具で遊んだり、里山を散策したりしながら過ごす。子どもが自然と触れ合う機会が減る中、森の中で豊かな感性を培おうと、町内のNPO法人グリーンバレーとNPO法人里山みらいが企画した。
乳幼児は午後1~4時、保育士代わりの森林インストラクターが見守る中、大粟山頂上付近で遊んでおやつを食べる。園舎はなく、自然の中で伸び伸びと過ごす。10月に始まり、これまでに5回開かれ、延べ75人が参加した。来年1月まで計10回を予定している。
今月16日にあった森の幼稚園には、町内の子育てグループ「すこやか命見守り衆」などから23人が参加。山頂へ向かう途中で山びこの「ヤッホー大会」を楽しみ、野イチゴを見つけた。頂上では、間伐材で作られたブランコやシーソーではしゃぎ、焼き芋を食べた。
長女優花ちゃん(3)と参加した川辺朋子さん(31)=徳島市津田4、主婦=は「娘は自然の中で生き生きと遊んでいた。親子で楽しめた」と喜んでいた。
森の幼稚園は、北欧で始まったとされる活動で、国内でも取り組む団体が増えている。
山間部にある神山町では、屋外の遊び場は意外に少なく、町外のショッピングセンターで子どもを遊ばせている保護者も多い。移住者からの「自然が近い割には、環境が生かされていない」との声を受け、グリーンバレーなどが事業を始めた。
長男周ちゃん(2)と参加した坂東敦子さん(33)=阿波市土成町土成、主婦=は「森は空気がおいしいし、親にとっても発見の連続。子育ての場としていい」と話した。
親子2人一組で500円。次回は30日。問い合わせは里山みらい<電050(2024)4925>。