防災学習を兼ねて交流するお年寄り=美波町西由岐の西由岐公民館

防災学習を兼ねて交流するお年寄り=美波町西由岐の西由岐公民館

 徳島県美波町職員らでつくる地域づくり団体「美波のSORA」が、由岐地区のお年寄り向けに防災知識の啓発を兼ねた交流会を月1回開いている。徳島文理大から「高齢者を社会的に孤立させないのが防災上でも重要」との提言を受けた取り組み。地区の防災力を高めて南海トラフ巨大地震の被害軽減を図る。

 24日に西由岐公民館で開かれた会には、70代以上の10人が参加。SORAの浜大吾郎会長(49)が進行役を務めた。かつて地区内にあった店について話し、場を和ませた後、保健師の指導で、太ももを高く上げてフレイル(虚弱)を予防する運動をした。津波から高台に速やかに避難できるよう足腰を鍛える狙いだ。

 防災がテーマのクイズもあり、SORAメンバーで徳島大人と地域共創センターの井若和久学術研究員(37)=地域防災学=が出題と解説を担当した。「被災時に国から生活再建のための金銭は支援されるか」といった、震災とお金にまつわる問題が出され、参加者同士で意見を出し合って知識を深めた。

 参加した布施美恵子さん(75)=西由岐=は「おしゃべりやクイズを楽しみながら、震災時に役立つ知識を学べた。次回もぜひ参加したい」と笑顔を見せた。

 由岐地区は南海トラフ巨大地震で最大約12メートルの津波が想定される。昨年11月、地区の高齢者の暮らしや災害への意識を調査した徳島文理大人間生活学科の学生が「人との交流が活発な人は防災意識も高い傾向にある」との結果をまとめて今年1月に発表。SORAはこれを受け、防災学習を兼ねた交流会を開いている。

 7月から毎月最終土曜に西の地、東由岐、西由岐の3地区で開催。避難の際に助け合える人間関係を築くとともに、防災の知識や体力を身に付けてもらっている。浜会長は「防災訓練に参加しない人にも気軽に来てもらうのが目的。交流の輪を広げて地区の防災力を高めたい」と意気込んでいる。