海陽町櫛川の杉尾神社境内で、町指定天然記念物のツチトリモチが、真っ赤な卵形の花を咲かせている。見頃は今月末まで。
ツチトリモチは日本固有種の多年草。四国と九州、紀伊半島に自生し、県版レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
小さな赤い粒が密集した花穂(かすい)と呼ばれる部分が、高さ3センチほどの楕円(だえん)形をしており、「山寺坊主」の異名で知られる。
神社境内の裏山斜面などで、ミミズバイ(ハイノキ属)の根元に抱かれるように、ひっそりと開花。その愛らしい姿から、アマチュアカメラマンや植物愛好家に人気が高く、境内を訪れた人たちはじっくりと観察したり、写真に収めたりしていた。