三好市山城町信正の古民家を改修したゲストハウス「モモンガビレッジ」に宿泊する外国人が急増している。低料金とレトロなたたずまいが人気で、ホームページ(HP)を多言語化した2013年から利用者が大幅に伸びた。地域住民との触れ合いにもつながっており、高齢化が進む山あいを活気づかせている。
モモンガビレッジは、ラフティングを通じて吉野川の美しさに魅了されたオーナーの馬場秀司さん(42)=熊本市出身=が、築約90年の木造2階建て民家を改装し、08年に開業した。
1泊3千円。4部屋あり、相部屋も可能。パンや定食類を安価で販売し、共用の台所で自炊もできる。コーヒーと紅茶のサービスがあり、朝晩は昭和の趣が漂う1階リビング(18畳)で旅行者が会話を弾ませている。
外国人客は10年までいなかったが、11年延べ80人、12年同100人、13年は同600人、14年は同1300人、15年は予約分を含む全宿泊者約2千人の8割を占める1600人に迫る。フランス、ドイツなど欧州からの利用者が多いが、中国、台湾などからの観光客も増えつつある。
馬場さんはHPの口コミを見て、無料公衆無線LANサービス「WiFi(ワイファイ)」やテラス、共同のシャワールームを整備。宿泊料金が手頃なため、宿泊者は平均2泊し、1週間連泊する人も多い。
ドイツから訪れた会社員アルビナ・ラスさん(30)は「アットホームな雰囲気と快適さがいい。桜がきれいな季節にまた泊まりたい」と笑顔を見せた。
モモンガビレッジ周辺には、吉野川や緑豊かな天王山など自然が多く、大半の宿泊者が散策に出掛ける。外国人とあいさつするのが楽しみという近くの下大寺歌子さん(69)は「モモンガビレッジができたおかげで地元が元気になった」と歓迎する。
馬場さんは「皆さんに支えられて本当に幸せ。地域と旅行者をつなぐ存在であり続けたい」と話している。問い合わせはモモンガビレッジ<電0883(86)2334>。