三味線奏者の藍さん(左)と文化祭に出演する近藤さん(中)、近本さん=那賀町中山の中山公民館

 9月に東京から那賀町に移住した三味線奏者で元芸者の藍さん(38)=本名赤澤真紀子、同町中山=が、地元に伝わる小唄(こうた)など2曲を三味線用に編曲し、28日に同町中山の中山公民館で開かれる文化祭で披露する。町内の詩吟愛好家と日本舞踊家が共演。藍さんは「地域の伝統芸能や文化を掘り起こし、魅力を伝えたい」と意気込んでいる。

 披露するのは「わじき小唄」と古里ソング「ああ田尾の城」。「わじき小唄」は地元の盆踊り曲を、お座敷でも演奏できるしっとりとした曲にアレンジ。日本舞踊水木流名取の近藤寿賀子さん(79)=同町和食=が舞う。

 「ああ田尾の城」は、三好市山城町の田尾城の落城悲話を題材にした曲を改編。詩吟の青雲流師範の近本茂さん(70)=那賀町和食郷、大工=が情感を込めて吟じる。

 藍さんが移住後に知り合った近藤さんや近本さんに共演を持ち掛けた。

 藍さんは上板町出身。大阪の大学を卒業後、東京都内のIT関連企業で勤務する傍ら、趣味で始めた三味線に魅せられ、2009年に芸者に転身。八王子花柳界で三味線を演奏する地(じ)方(かた)を6年間務めた。父親の病気を機に徳島へUターン。今年9月からは那賀町と東京で、三味線、着付けなどの教室を開いている。

 藍さんは「三味線や伝統芸能が難しいというイメージをなくし、若い人が興味を持ってくれるような活動をしていきたい。地元の曲をもっと取り上げ、地域の人が古里の良さを見直す機会になれば」と話している。

 親子ほども年齢が離れた藍さんと共演をすることになった近藤さんと近本さんは「移住して地域のために頑張る藍さんにこちらも励まされる。一緒に頑張っていきたい」と話した。公演は午後7時から。