お隣高知県出身の漫画家・西原理恵子さんが一番好きな色は、藍色だという。濃いめで、黒に近い。生まれ育った漁師町から望む太平洋がそう映った、と自著「毎日かあさん」にある。西原さんは「黒潮の藍」と呼ぶ

 藍色と一口に言っても、種類は多彩である。例えば「瓶覗」はやや緑色がかった淡い藍のこと。「熨斗目色」は少々灰色の強い青で、なじみの「紺色」も仲間に入る

 「褐色」という深い色の藍もある。縁起良く<勝ち色>と読み替えたサッカー日本代表が、先のW杯でユニホームに採用した色といえば目に浮かぶだろう。薄き藍あれば、濃き藍あり。色相の豊かさは「藍四十八色」と称されるゆえんである

 7月24日のきょう、県が制定して2回目の「とくしま藍の日」を迎えた。県民に藍への関心や理解をもっと深めてもらい、藍文化を将来に引き継ぐ狙いがある。制定のいきさつは、本紙と一緒にお届けした別刷り特集で確認願いたい

 特集面に載った写真を見れば、きっと合点がいくはずだ。なるほど、藍色はどれも微妙に違うと。一つとして同じ色はない。四十八どころじゃないのではなかろうか

 木製雑貨や家具、食用などへの用途がまた一段と広がっていることにも驚いた。豊かなのは色だけではない。面白い応用の余地は大きい。そう確信する「藍の日」である。