徳島県民にとってどれだけ意味のある大会にできるか。成否は開幕までの準備にかかっている。

 2020年東京五輪・パラリンピックはちょうど2年後の7月24日に始まる。夏季大会としては56年ぶりの国内開催となる。機運を盛り上げ、大会を成功に導きたい。

 今月に入って聖火リレーのルート案が示され、競技別の時間帯などスケジュールも固まった。ぼんやりとしていた五輪の具体像が、ようやく形になって現れ始めた。

 県民が深く関わるイベントの一つが聖火リレーだ。聖火は東日本大震災からの復興をテーマに、20年3月26日に被災地の一つ、福島県を出発する。列島を南下し、徳島を通るのは4月16、17日の見通しだ。本県の具体的なルートは今後、県に設けられる実行委員会が策定する。

 1964年の前回東京五輪では9月の3日間、旧宍喰町から鳴門市までの105区間148・4キロで聖火をつないだ。走者は12~20歳の男女2415人に上った。各区間ともトーチを持つ正走者1人、副走者2人、随走者20人の計23人で編成され、沿道には3日間で20万人以上が詰め掛けたという。

 今回は大阪府からトーチを受け、2日間で県内をリレーした後、香川県に引き継ぐ。日程は前回より1日少なく、全県を回ることはもちろんできない。限られた時間の中で、できるだけ多くの県民が関わり、五輪への参加意識を共有できるような仕掛けが期待される。

 五輪・パラの各国の選手らと交流を深める「ホストタウン」の取り組みも既に始まっている。事前キャンプや開幕後に訪れる選手らと地域住民とのスポーツ・文化交流を図る試みだ。

 徳島県は現時点で、ドイツとカンボジアのホストタウンになっている。

 ドイツからは、徳島での事前キャンプが内定している柔道のほか、カヌーとハンドボールの関係者が視察や合宿に訪れた。ハンドボールの同国代表は6月、徳島市で日本代表と対戦。その際、選手らは県内の小学生と交流し、技術を指導した。

 子どもたちは世界トップレベルのプレーを間近に見て、刺激になったことだろう。

 食品開発でカンボジアと交流がある徳島商業高校の生徒は、新たなプロジェクトを企画。同国の魅力を紹介する映像を作る予定だ。生徒たちは「交流を通じて五輪を盛り上げたい」と張り切っている。

 今後も事前キャンプ地誘致に連動して、海外の競技団体関係者や選手が来県するだろう。その一つ一つが交流の場であり、徳島を知ってもらう絶好の機会となる。

 あと2年。県や県内の競技団体は、住民を巻き込んで積極的に準備を進めてほしい。

 県民に身近な大会になれば、海外との交流や競技力向上の面で、後世に多くの果実を残せよう。