「建築費資材が高騰するが、整備費はどうなる?」「駐車場は増やせない?」―。徳島県が徳島市文化センター跡地周辺に建設する新ホールについて、27日に開かれた県議会総務委員会では整備費や駐車場などに関する質問が相次いだ。6月に基本設計が完了し、現在、優先交渉権者となった熊谷組などでつくる共同事業体と県が実施設計の協議を進めている。整備費について、県の担当者は実施設計で「コストダウンに向けた選択肢も持ちたい」と設計変更の可能性も示唆した。

新ホールに関する質疑があった県議会総務委員会=県議会棟

整備費は205億5千万円でおさまる?

  2026年度中のオープンを目指す新ホールの整備費は、205億5千万を上限としている。嘉見博之氏(自民)は「建築物価がどんどん上がる中で、建築費は2割ほど上がり、240億円ぐらいになるのではないか。県としてはどのように考えているのか」と質問した。

 県の担当者は、第三者的立場からコスト管理を行う事業者の支援を得ていることを説明した上で、「実施設計においてコストダウンに向けた選択肢も持ちつつ、無理のない設計にしたい」として、設計変更の可能性も示唆した。ただ、その場合も「コストカットのために、ホール本来に求められる基本性能の部分をカットすることはあってはならないと考えている」とした。

 施工開始以降の資材の高騰については「物価上昇にはスライド条項が当てはまるものと考える」と答弁した。

新ホールの完成イメージ図(県の資料より)

駐車場の確保は?

 東条恭子氏(新しい県政)は身体障害者用駐車場の台数について尋ねた。

 県の担当者によると、6月の基本設計完了段階では、敷地南端の旧徳島中央署跡地に146台、大ホール周辺に10台、小ホール周辺に8台で合計164台分を確保している。このうち、大ホール周辺10台のうち2台、小ホール8台のうち2台が身体障害者用。担当者は「旧中央署跡地にも、実施設計の中で身体障害者用スペースを確保できるよう具体的な検討を進めている」と答えた。

 扶川敦氏(護民官)は「高齢者が止められる近場の駐車場が必要」とし、近隣の公共施設の駐車場を使わせてもらうなどの対策を求めた。

 県の担当者は「現在の約160台の駐車台数が倍増すると、夕方のコンサートが始まる時間帯にかちどき橋周辺で大渋滞が起きる」と指摘。交通量を分散させるためにも、建設地の半径500メートル以内にある民間を含めた駐車場約1100台分を「円滑に使えるようにしたい」とした。駐車料金については「周辺の民間施設にとってマイナスとなる料金設定はできない」と説明した。

ガラス壁の小ホール、音響は大丈夫?

 嘉見氏はガラス張りとなる小ホールの音響についても質問した。

 県の担当者は「基本設計段階での音響シミュレーションでは、音響のまとまりは優れたものになりそうだ」とした上で、「最終確定ではなく、これからチューニングが続く」と説明。「ガラスの内面をわずかに変化させることで反射の方向をばらつかせ、心地よい響きを実現するという工夫も検討している」と具体策に言及し、「ガラスを使うということで、容易なことではないが、最終的にはしっかりしたいいホールにしたい」とした。

小ホールの完成イメージ図(県の資料より)