ヤマト運輸の配達員(左)から荷物を受け取る住民=牟岐町沖の出羽島

ヤマト運輸の配達員(左)から荷物を受け取る住民=牟岐町沖の出羽島

 牟岐町の離島・出羽島に住む買い物難民を支援しようと、スーパー・オオキタ(中村)がヤマト運輸(本社・東京)と連携し、食料品などを宅配するサービスを始めた。現在、約30人が利用しており、「重い荷物を運んでもらえて、ありがたい」などと歓迎の声が上がっている。

 オオキタは前日夕方までに島民から電話や注文票で受けた品を、翌朝にコンテナ(幅50センチ、高さ25センチ、奥行き35センチ)に詰めてヤマト運輸の配達員に預ける。配達員は荷物を持って牟岐港(中村)から連絡船に乗り、正午ごろに出羽島の購入者宅に届ける。配送料はコンテナ一つにつき550円。商品代と合わせて銀行口座から引き落とす。

 出羽島では2年ほど前に島内唯一の小売店が撤退し、現在は店がない。生鮮品を扱う店はそれ以前からなく、島民は連絡船を使って買い物に出掛けていた。

 オオキタは店まで来られない島民のため、約40年前の創業以来、電話注文などで受け付けた品物を約500メートル離れた牟岐港まで無料で配送。品物は連絡船で出羽島港まで送られ、島民が港で受け取っていた。しかし高齢化に伴い、港まで受け取りに行けなかったり、重い荷物を自宅まで運べなかったりする課題が出ていた。

 ヤマト運輸海部営業所(美波町奥河内)では週に数回、島まで宅配便やメール便を届けていることから、事情を知った同社徳島主管支店(松茂町中喜来)が「配達員を活用すれば住民宅まで効率良く品物を届けられる」とオオキタに提案した。通常より安い配送料を設定し、8月中旬にサービスを始めた。

 コンテナいっぱいの食料品を注文している山村一豊さん(87)は「これまではスーパーまで買いに行っていたが、最近は腰が悪く、買い物しづらくなっていた。天気が悪い時にもうれしいサービスだ」。オオキタの福山昭仁常務取締役は「大事なお客さまである牟岐の住民の暮らしを守るためサービスを開始した。日常的に利用していただきたい」とアピールしている。