展望台や天体望遠鏡を備えた大川原高原ヒルトップハウス=佐那河内村上

展望台や天体望遠鏡を備えた大川原高原ヒルトップハウス=佐那河内村上

修繕するか撤去するかを含めて活用策を探る大川原高原のログハウス迎光閣=佐那河内村上

修繕するか撤去するかを含めて活用策を探る大川原高原のログハウス迎光閣=佐那河内村上

 徳島県佐那河内村は村有数の観光スポット・大川原高原を中心に滞在型観光を創出する「大川原高原“つくる”高原プロジェクト」に取り組む。民間企業や四国大と連携し、周辺の村有施設を使って飲食の提供や体験プログラムなどを実験的に行う。産学官で新型コロナウイルス後を見据えた村の観光振興策を探る。

 大川原高原は標高約千メートルで、約3万本のアジサイや風力発電施設で知られる。展望台や天体望遠鏡を備えた「大川原高原ヒルトップハウス」、合宿などに利用できる「ログハウス迎光閣」が整備され、徳島市中心部から車で約1時間と比較的アクセスも良い。

 ただ、周辺には通年営業している飲食店がなく、アジサイのシーズンを除くと観光客は少ない。30年経過したログハウスは外壁の傷みが目立ち、新型コロナ禍もあって現在はほとんど利用されていない。年間を通じて訪れるリピーターの掘り起こしが課題だった。

 村は昨年10月、大川原高原観光促進計画策定委員会を設置し、四国大の鈴鹿剛准教授(観光学)が委員長に就任した。大川原高原の可能性や求められるニーズを検証し、今年3月に今回のプロジェクトを含む促進計画を策定した。

 プロジェクトは、民間事業者に試験的に村有施設を使ってもらう「トライアル・サウンディング」という手法を用いる。民間事業者を募ってヒルトップハウスや高原などで一定期間、飲食の提供やワークショップなどを行う。村は事業者の集客力や施設との相性を見極められ、事業者側も比較的少ない投資で採算性などが確認できる。

 既に四国大の学生らから▽ヒルトップハウスに村の特産品を使ったメニューや郷土料理が楽しめるカフェを出店▽高原周辺の風力発電や小水力発電施設を生かした環境学習の実施▽風力発電施設のフェンスをアートで彩り、景観づくりに生かす―など複数の事業提案が挙がっている。具体化できそうな案は、新型コロナの流行「第7波」の収束を待って試行し、2023年度以降も事業として続けられるかを見定める。

 岩城福治村長は「コロナ禍で人の流れが変わり、滞在型の観光が求められる。産学官で協力しながら、大川原高原に新たなにぎわいの場をつくりたい」と話している。

 村は高原プロジェクトの参加事業者を募っている。問い合わせは村産業環境課、電話088(679)2115。