本日のランチセット(1760円)。アマトリチャーナに生のモッツァレラチーズ(+1100円)をトッピング。フォークを入れて崩しトマトソースとあわせて味わう。

本日のランチセット(1760円)。アマトリチャーナに生のモッツァレラチーズ(+1100円)をトッピング。フォークを入れて崩しトマトソースとあわせて味わう。

客席は東西に1テーブルずつ。

客席は東西に1テーブルずつ。

 地元住民や移住者が一緒になって地域の賑わいを生み出している阿南市加茂谷地区。那賀川の中流域に位置する10町からなるエリアだ。たくさんの史跡が残る遍路道「かも道」や落差30メートルの「午尾の滝」、お松大権現など歴史的な魅力や自然あふれる地域に、今新しい風が吹いている。話題のお店や町づくりに情熱を注ぐ人たちを訪ねた。

リストランテ岡本

 悠然と流れる那賀川に沿って山あいを走り、大滝トンネルを抜けると「ようこそ」と言わんばかりにイタリア国旗がはためく。こちらで迎えてくれるのは、オーナーシェフ・岡本光弘さん(66・阿南市出身)と奥様の岡本美幸さん(63・愛知県出身)だ。加茂谷地区で生まれ育った光弘さんが、阿南市役所を退職後に開いたレストランである。土日祝のみの営業で、ランチは時間をずらして1日3組、ディナーは1組限定の完全予約制。「食事をしながら、ゆったりとしたひとときを過ごしてほしい。お店を通じてお客様の人生と交わる瞬間を大切にしたいんです」と言う岡本夫妻の願いを込めたスタイルだ。

 かつて「リストランテ岡本」は光弘さんがFacebookで自作パスタを公開する架空レストランだった。「昔からパスタが大好きで。県内外のイタリアンを食べ歩くのが楽しみだったんです」と話す。退職を前にパスタ料理にのめり込み、作ったパスタの写真を“リストランテ岡本”として投稿するように。すると反響が反響を呼び「お店に行きたい」という問い合わせが寄せられるようになった。料理の専門書にはじまり、パスタの歴史や関連書籍を読み込み、独学で腕を磨いた光弘さん。2018年4月には、間借りしたスペースで日曜のみのランチ4組限定で営業を開始。予約は途切れることなく好評で、年間約800人が訪れた。2019年12月からは新築した現店舗でお客を迎えている。

 「世界の美味しいものを紹介する、というのがコンセプト。だから食材にはこだわっています」ときっぱり。有機パスタやオリーブオイルなど食材の多くは本場イタリアから仕入れたもの。ランチ(1760円)は、サラダ、2種類から選べるパスタ、パン、ヨーグルト、珈琲がセットに。取材日にはチーズをたっぷり使ってまろやかに仕上げたアマトリチャーナが登場。豚バラを塩漬けした「パンチェッタコッタ」の存在も際立つ。さらに、生のモッツァレラチーズもトッピング。自家栽培のバジルをたっぷり使ったジェノベーゼ、ポルチーニのクリームソース、エビとブロッコリーのレモン風味など、パスタは季節により変わる。ソースに合わせてリングイネやフェットチーネ、ペンネなど麺もいろいろ。「セオリーにとらわれず、自由な発想で組み合わせて美味しいと思ったものをお出ししている。それが独学のいいところなんで」とにっこり。ディナーコース(5500円~)では、パスタはもちろん、特製ローストビーフや鳴門鯛のアクアパッツァなど肉と魚の両方が堪能できる。

 楽しみは、ワインに造詣の深い光弘さんが勧めてくれる一杯。店内にはイタリアのワインマップが置かれ、産地からぶどうの品種や製造方法まで情熱たっぷりに教えてくれる。イタリアワインは約15種類を揃え、すべてグラスで味わえるのが嬉しい。また、お酒が飲めない方には、絶品のノンアルコール・ワインがお勧め。食後は、季節に合わせてブレンドするというこだわりのスペシャルティ珈琲が幸せな時間の余韻にひたらせてくれる。

リストランテ岡本
徳島県阿南市深瀬町北久保32
090-2786-8967(電話受付は毎日9:00~21:00)
営業時間=11:00~13:00、18:00~21:00
定休日=完全予約 土日祝のみ営業

駐車場:あり
多機能トイレ:なし
Wi-Fi:あり
完全個室:なし
座敷席:なし
開店:2019年