売り上げが伸び悩むコートやニットの売り場=そごう徳島店

 徳島県内で11月、暖かい日が続いたため、冬物商戦や農作物に影響が出ている。コートやニットの売れ行きが鈍く、生育が早まった農産物は前倒しで出荷されている。気温が高かったのはエルニーニョ現象が過去最大級の規模で発生しているのが原因。今後も暖冬の予報となっており、冷え込みに期待する小売店の関係者らは気をもんでいる。

 徳島地方気象台によると、11月5日に美波町で最高気温25度以上の夏日を観測。徳島市では25日までに最高気温が20度を超えた日が9日あり、平均気温は16・4度と平年を2・9度上回った。

 南米沖の海水温が高くなるエルニーニョ現象により太平洋西側の海水温が平年より低くなり、暖かい空気が日本に流れ込みやすかった。26日以降、寒気が南下した影響で冷え込み始めたものの、今後も平年より気温が高い日が多くなる見込みとなっている。

 暖かい日が続いたため、冬物衣類の売れ行きはいまひとつ。そごう徳島店では厚手のダウンコートなどの販売が伸び悩み、11月の売り上げは前年を下回る見通しだ。担当者は「品ぞろえを充実させるなどして対応したい」と話す。

 農産物では、高温で冬野菜の出荷が前倒しになったことに加え、鍋物食材を中心に需要が低調で安値となっている。青果卸の徳島青果(徳島市北沖洲4)によると、ダイコンやキャベツは前年の2~5割安い価格で推移している。ホウレンソウなど1カ月近く前倒しになっている作物もあり、同社は「年末以降に出荷量が減って逆に価格が高騰する恐れもある」と懸念する。

 仕込みが本番を迎えた日本酒造りでは温度管理に特に気を使っている。三好市池田町マチの中和商店では、室温が例年より5~10度高いため、タンクの周囲に冷水を通すシートを巻いて温度調節している。中村盛彦社長(58)は「暖冬ならずっと気を抜けない。光熱費もかさむので例年通り寒くなってくれれば」と祈るように話した。