新鮮なっ!とくしま号で調理された徳島県産品の試食に並ぶ人たち=2014年7月19日、愛知県豊田市の豊田スタジアム(県提供)

新鮮なっ!とくしま号で調理された徳島県産品の試食に並ぶ人たち=2014年7月19日、愛知県豊田市の豊田スタジアム(県提供)

 徳島の農畜水産物の魅力をアピールするため、県が大型トラックを改造して2005年から全国を走らせている「新鮮なっ!とくしま号」が、安定した人気を誇っている。各地の催し会場で県産品を使った料理を試食してもらうなどし、これまでに走った距離は地球4周半分に当たる約17万9千キロ。同じ催しに何度も招かれるケースもあり、徳島の「走る広告塔」として定着している。

 とくしま号は、11トントラックの荷台部分を改造して調理スペースを設け、現地で作った出来たての料理を来場者に振る舞う。05年1月から運行を始めた。

 毎年度40~50回のペースで地域のイベントやスーパー、サッカーJ2徳島ヴォルティスの試合会場などを回っている。これまで北海道から大分まで、徳島を含む全国27都道府県を訪れた。運行回数は11月29日時点で534回を数えている。

 メニューは試行錯誤を重ねながら内容を変えており、現在は阿波尾鶏の空揚げやハモの天ぷら、レンコンのスティックフライなど、十数種類に上る。調理をするのは随行した県職員。県産品をシンプルに味わってもらえる作りにしている。

 とくしま号にはステージも備えられ、阿波踊りや人形浄瑠璃など徳島の伝統芸能を披露することも多い。来場客からは「徳島産の食べ物はおいしい」「阿波踊りを間近で見られてうれしい」などの声が上がっている。

 とくしま号のドライバーは民間の運送会社に委託しており、年間人件費は213万円、燃料代は75万円(いずれも14年度)。料理の実演・試食や観光PRのほか、県内のJAが旬の県産野菜を販売する場合もあり、県は十分な販促・宣伝効果があるとみている。

 県もうかるブランド推進課は「徳島のおいしい食材をもっと多くの人に知ってもらえるよう、どんどん走らせたい」としている。