徳島市が、新町西地区再開発事業をめぐる住民訴訟の判決で「都市計画の変更手続きを要する」と指摘されたことを受け、変更手続きに入ることが30日分かった。同事業で整備する音楽・芸術ホール取得のための限度額156億2500万円の債務負担行為を含む関連予算案を市議会12月定例会に提出する予定だったが、提出議案から外すもようだ。2018年度末としている再開発事業の完成時期が遅れる可能性もある。

 都市計画の変更には、変更後の計画案の公告・縦覧や意見書の募集、市都市計画審議会の承認、知事との協議などの手続きが必要になる。

 このため地権者らの現在の土地・建物の価値を再開発ビルの床面や金銭に置き換える権利変換計画の認可を16年2月に予定していたが、遅れる見通しとなった。再開発事業の完成時期がずれ込まないよう、早期に手続きに入るとみられる。

 住民訴訟では、都市計画決定後に再開発ビル内の集合住宅と小ホールの位置を入れ替えたのに、計画変更をしないまま市が実施主体の地元組合に補助金を出したのは違法として、計画に反対する市民団体が徳島地裁に提訴。11月27日に出た判決は、補助金の返還を求めた市民団体の請求を棄却したものの、都市計画の変更手続きは必要であると指摘した。