米スタインウェイ社製のグランドピアノを保有する穴吹高校(美馬市)で恒例の演奏会があり、1、2年生と卒業生ら39人が、約90年前から同校に伝わる名器の美しい調べを堪能した。
阿波高校音楽講師の上原慎太郎さん(29)が、ベートーベン「月光」やショパン「英雄ポロネーズ」など、クラシックの名曲4曲を演奏。重厚感あふれる音色が響いた。
大塚幸奈(ゆきな)さん(17)=2年=は「大正時代のピアノがこんなにきれいな音を出すなんてすごい」と興奮した様子。演奏を終えた上原さんは「深みのある音色で、90歳のピアノとは思えないほどのパワーを感じた」と話していた。
ピアノは1926年に、地元住民が同校の前身・美馬高等女学校に寄贈した。2003年に修復され、同校では10年から音楽の魅力や学校の歴史を知ってもらう目的で、年2回演奏会を開いている。