瀬戸内寂聴さんは不死身だと勝手に思い込んでいた。少々、体の調子が悪いという、うわさが聞こえてきても、必ず治ると信じていた。88歳の秋に背骨を圧迫骨折し、半年間、寝たきりの生活を余儀なくされても、東日本大震災による原発ショックでよみがえった人だ。心配ないと。

 だが、92歳を超えると、次々と病魔が襲った。2度目の圧迫骨折、胆のうがんによる手術、心臓カテーテル手術...。さすがに94歳の時には、何もできず、ベッドに横になる日が続くようになった…