全国高校野球選手権徳島大会の試合の合間に水分補給する選手ら=23日、鳴門市の鳴門オロナミンC球場

 猛暑の影響で熱中症になる危険性があることから、徳島県内各地でスポーツ大会の日程変更や中止が相次いでいる。主催者は開始時間を夕方にしたり、冷房を備えた会場に変更したりと対応に当たっている。徳島陸上競技協会は、競技中止とする気温などを定めたガイドラインの策定に向けて協議を始めた。 

 県中学校体育連盟は24日に予定していた県総体軟式野球決勝を、エアコンがある部屋を備えたJAバンク徳島スタジアム(徳島市)が使える25日にずらした。兼松佳史理事長は「不調を訴える選手が出た場合、涼しい部屋で救護できるため」と説明する。

 22日に鳴門ポカリスエットスタジアム(鳴門市)で行われた四国地区聾(ろう)学校体育大会の陸上競技は、30分繰り上げて午前9時に競技を開始。しかし、気温や湿度などから算出される「暑さ指数」が同10時半に危険度を超えたため、同時刻以降に予定していたリレーを取りやめた。

 陸上の阿南市中学校大会は26日に全種目を行う予定だったが、熱中症リスクの高い中長距離は25日午後5~7時に変更。28日の海部郡大会も中長距離を27日夕に実施する。

 競技中の熱中症対策も進む。全国高校野球選手権徳島大会では21日から、七回終了時に3分間の給水タイムを設けた。観客に対しても場内アナウンスで随時、水分補給を呼び掛けている。

 「徳島新聞社こども野球のつどい」でも給水タイムを導入。攻撃時間が長い場合、守備側の選手が2~3分、ベンチに戻って体を冷やしたり水を飲んだりすることができる。

 徳島陸協は、来年以降に主催する7~8月の大会について、中長距離や小学校低学年の種目だけでも時期をずらす検討を始めた。卯木英司会長は「照り返しの強いトラック上は特に過酷。事故が起きてからでは遅いので、明確な規定を早急に設けたい」と話した。