石井町が企業誘致に乗り出す森永乳業徳島工場跡地=同町高原

 石井町は、2011年に閉鎖された森永乳業徳島工場跡地(高原)を活用し、企業誘致に乗り出す。森永乳業は、ヒ素ミルク中毒事件(1955年)の舞台となったことから、工場跡地の活用や譲渡について凍結してきたが、町が粘り強く交渉を続けた結果、跡地利用への協力に同意を得た。

 工場跡地は約2万1400平方メートル。1938年操業で最盛期は約90人を雇用し、地元酪農家から仕入れも行っていた。経営合理化で11年9月に閉鎖され、製造棟などが残る。

 町は工場閉鎖後、地域活性化と治安維持のため、操業再開や跡地を手放すよう再三働き掛けてきた。これに対し、森永乳業は「跡地は大切な場所」と説明し、土地利用については未定としてきた。

 10月の町と森永の話し合いの場で、企業誘致を目指したい旨を伝え、重ねて協力を要請。森永乳業は「徳島工場跡にふさわしい企業であれば応じる」とし、条件次第では協力する意向を示した。

 小林智仁町長は「工場跡地の利用へ向け、一歩前進だ。県とも連携し、早期に企業誘致へ動きたい。町による土地購入は考えていない」と話した。

 森永乳業広報部は「石井町の強い意向を受けた判断。町活性化のために協力はしたい。企業誘致は跡地活用へ向けた選択肢の一つ」としている。