1足す1足す1の答えが、いつも3になるわけじゃない。1と1と1が化学反応を起こし、5になり7になって、輝いて、若者たちの心をつかんだ

 徳島生まれ、徳島育ち、徳島弁を話す人気ロックバンド「チャットモンチー」が、徳島市で開いた「徳島こなそんそんフェス2018」で、最後のステージを終えた。交流のあるミュージシャンやお笑い芸人が花を添え、2日間で計約1万人のファンがバンドの「完結」を見届けた

 1と1。ボーカルとギターの橋本絵莉子さん、ベースの福岡晃子さんは城東高出身。もう一つの1、福岡さんと同じ鳴門教育大で学んだ元ドラマー、作家・作詞家の高橋久美子さんも駆け付けて、代表曲「シャングリラ」などを演奏した。「郷土出身」バンドらしく、フィナーレは阿波踊りの渦の中で

 激しい化学反応も、いつかは平衡状態になる。「チャットモンチーとしてやる音楽はやりきった」。だから、解散ではなく「完結」

 虹を超え、地平線を目指して走ってきたけれど、ここから先は、それぞれ別の車で、ということだろう。惜しいが、創作に携わる者にしか分からない潮時があり、選択がある

 「シャングリラ」は、英国の作家ヒルトンが「失われた地平線」に描いた理想郷。音楽の旅に果てはない。前を向いて進む彼女らを、変わらず応援したい。