神山町は、同町神領の神山中学校旧寄宿舎・青雲寮跡地に、若者や子育て世帯向けの定住住宅を整備する。10戸程度を建設し、数戸にキッチンなどを共有するシェアハウスの機能や、交流スペースを設ける。町外からの移住希望が相次ぐ現状に対し、提供できる空き家などが不足しているため。2016年度中に整備計画をまとめ、18年度をめどに着工、完成を目指す。
町は、跡地の造成計画委託料302万円を盛り込んだ15年度一般会計補正予算案を、町議会12月定例会に提案している。後藤正和町長によれば、戸建てやシェアハウス、一時居住のお試しハウスなどの集合体とし、若者らの多様な生活スタイルに合わせる。
建材や内装には町産材をふんだんに取り入れ、斬新なデザインの中にも温かみを感じさせる住空間創出を目指す。木質バイオマス燃料などを活用したエコ仕様としたい考えだ。
旧寄宿舎は、町役場などの公共施設が集中する神領地区の中心地にあり、約5千平方メートル。神領小、神山中学校も隣接し、子育て環境に恵まれた一等地となっている。旧寄宿舎の建物は解体する。
IT企業のサテライトオフィス誘致で知られる神山町は、07年からNPO法人グリーンバレーと連携し、空き家などを紹介する「移住交流支援事業」をスタート。料理や建築といった技術を持つ移住者を”逆指名“する方式で、約80世帯を呼び込んでいる。
その半面、適当な住宅不足から、200人近い移住希望者を抱えており、若者向け住宅の整備が急務だった。
後藤町長は「今後の町のにぎわいづくりの中心となる施設。住民と共に計画を練り上げたい」と話している。