大貝寿子さんの受賞作「つなぐ」

大貝寿子さんの受賞作「つなぐ」

大貝寿子さん

大貝寿子さん

 第76回徳島県美術展(県美術家協会、徳島新聞社など主催)が、徳島市のあわぎんホールで開かれている。全7部門の特別賞の受賞者と作品を紹介する。展示は第1期(日本画、洋画、彫刻)が10日まで、第2期(写真、美術工芸、デザイン)は12~17日、第3期(書道)は19~24日。

大貝寿子さん(65)徳島市津田本町3

 「今回は手応えのある作品だったので、ものすごくうれしい。初心を忘れず次も頑張ろうと意欲が湧きます」。とびきりの笑顔で声を弾ませた。

 作陶歴20年。特別賞は3年前に同じ彫刻部門、昨年は美術工芸で受賞し、3回連続。達成感と同時に、もっといい作品を作りたいと思う。それが連続受賞の原動力となった。

 受賞作「つなぐ」は尊い命を次の世代に継承する大切さをテーマにした。高さ2メートルの三角すいに近いセラミックのオブジェが2体。オットセイのようなつがいを表現し、側面に海底から湧き上がるあぶくを描き込んだ。母なる海から生物が誕生する神秘的な様子と、次の生命をはぐくむ尊さをアピール。雌雄が困難を乗り越え、仲良く上を向く姿を生き生きと表現した。今にも雄たけびが聞こえそうだ。

 作陶には素材からこだわった。全国の焼き物産地を巡って、滋賀県の信楽にたどり着いた。発色と質感の良さから信楽の赤土を取り寄せている。

 受賞作は、昨年の県展出品後、すぐに取り掛かった。浮かんだアイデアで、まず設計図となる図案を描く。ミニチュアの試作を3度繰り返し、問題点をクリアして本作品に取り掛かる。豊かな生命力と迫力を出そうと、可能な限り大きな作品に挑戦。2割程度縮むことを想定した上でようやく窯入れ。1年がかりで納得の作品に仕上げた。

 2002年に夫の貞雄さん(65)と作陶を始めた。県展は翌03年から夫婦で毎年出品している。「最近やっと思い通りの作品ができるようになった」と充実感を漂わせた。