東新町商店街にある現在のハラダ=徳島市東新町1

東新町商店街にある現在のハラダ=徳島市東新町1

 徳島市東新町1の老舗企業である宝飾・時計・眼鏡販売のハラダが2023年4月、本社と店舗を同市沖浜東1の国道55号沿いに移転する。東新町商店街の華やかな店構えは、沈滞ムードが加速する商店街の中ではシンボル的存在でもあっただけに、活性化に向けて共に取り組んできた商店主は一気に空洞化が進むことを心配する。

 東新町1丁目商店街振興組合の福田典彦副理事長(フクタレコード代表取締役)が、本社移転の考えを初めて聞いたのは、2月の理事会。組合理事長を務めるハラダの原田吾朗社長自ら説明があり、理事一同が驚きを持って受け止めたという。その後は買い物客からも「ハラダ移転するん」と聞かれることがあった。

 「商店街は各店舗のチームワークが重要になる」。竹原俊二前理事長は、人材面での損失を強調する。当面は原田社長が組合の理事長を務める予定だが、「若手からベテランまで顔を合わせる機会が本当に少なくなっている。この街をどうするか、まだまだリーダーとして頑張ってもらいたい」と要望する。

 東新町商店街は丸新百貨店が1995年に閉店し、2005年にダイエー徳島店が撤退。生活に身近な書店やファストフード店、玩具店なども相次ぎ姿を消した。一方、アニメ制作会社ユーフォーテーブルが近くにスタジオを開設。今年6月、商店街で開かれた徳島発のアニメの祭典「マチ★アソビ」では400人以上が集まるなど、明るい兆しも見え始めていた。

 福田副理事長は「完全移転になってしまうと、東新町から火が消えてしまう。今はまだ実感のない人もいるかもしれないが、シャッターが閉まったままになった姿を考えると、脅威でしかない」。