師走に入り、徳島県内の百貨店やホテルなどでおせち商戦が活気づいている。正月の食卓を華やかに飾る定番の三段重のほか、量が少ない1人用の「個食」タイプ、郷土食材やスイーツを売りにしたものなど多彩なおせちが販売されており、買い物客らが熱心に品定めしている。
そごう徳島店(徳島市寺島本町西)は10月上旬に特設売り場を設けた。徳島をはじめ、関西の有名ホテルや老舗料亭などのおせち262種類を用意しており、2万~3万円台が売れ筋。中には20万円超の高価なものもある。
近年は高齢化や核家族化を背景に、1人前の個食おせちが高齢者らに人気だ。売り場担当の春名陽一係長(49)は「全体の予約数は年々右肩上がりで、おせちを作るより買う世帯が増えてきているのでは」と話す。
県内でフジグラン3店舗を展開するフジ(松山市)では「故郷味覚探訪おせち」と題し、阿波尾鶏(徳島)やとこぶし(高知)など四国の食材をメーンにしたおせちも販売。阿波観光ホテル(徳島市一番町)も県産を含めた豊富な食材で、見た目も華やかな三段重に仕上げている。
ホテルクレメント徳島(同市寺島本町西)は、新たな趣向で楽しんでもらおうと、初めてスイーツおせち(1万800円)を用意した。35センチ四方のおせち箱にロールケーキやマカロン、和菓子、果物などがぎっしり。担当者は「箱を開けたときのわくわく感を子どもたちに味わってもらいたい」と話している。