徳島県内の11団体が競演する人形浄瑠璃公演「阿波人形浄瑠璃の可能性」(阿波人形浄瑠璃振興会など主催)が5、6の両日、徳島市の阿波十郎兵衛屋敷である。8回目の今回は初めての試みとして、映像作品とコラボレーションした演目「夜の浄瑠璃人形」が披露される。
「夜の-」は、芝居好きの2匹のタヌキが、青年座(同市)の演じる「寿二人三番叟(さんばそう)」を楽しんだり、人に化けて芝居に興じたりする内容。
舞台にスクリーンを設け、青年座の公演にタヌキの影絵のアニメを重ね合わせた映像を流す。物語の展開に合わせて青年座のメンバーが舞台や庭などに登場し、実際に人形を操る演出を盛り込んでいる。
映像は、同市出身の渡辺亮介さん(39)=大阪市=ら県外の映像作家でつくる「アニメーションスープ」が制作した。浄瑠璃とのコラボは渡辺さんの企画で、青年座や振興会に提案した。上演時間は6日午後3時35分から。
今回の公演は、大学生までの若手が8団体と多いのも特徴。石井小学童保育・人形じょうるりくらぶ(石井町)の12人は童歌に合わせて木偶を操り、川内北小学校太夫教室(徳島市)の5人は「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」のお鶴の語りを披露する。
観覧は無料だが、十郎兵衛屋敷の入館料が必要。振興会の佐藤憲治事務局長は「人形浄瑠璃の新たな魅力を発見してもらえれば」と来場を呼び掛けている。